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祭のものぐさもったり手帳

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パフェバーにて

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パフェバーにて

カッとなってやった。今は後悔している。

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最近の趣味は外でランチ

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最近の趣味は外でランチ

ウマーですーvvv

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旅戦の王女 第22話『籠の少年。青空目指して5』

ずっと後ろを大人しくくっついているのだと思っていたが、大きな思い違いだったらしい。注意力散漫だといえばそうだが何も僕だけの責任ではないはずだ。
 「…まったくコロナは本当に落ちつきのない賢者だなぁ!」
 頬をぷくーっと膨らませ、トーンはずんずんと歩いていく。
 「迷子になるなんて、コロナはお子ちゃまだよ。ちゃんと僕の後についてこないと駄目なのにぃ」
 あの無愛想な横顔を思い浮かべて、思いっきり眉を逆八の字にする。―自分の方が迷子…という発想は最初からというか、まったく一欠けらも思っていないようだ。

 「…それにしても広いなー」
 きょろきょろと辺りを世話しなく見回す。ブロック型の建物が無機質に、等間隔に並んでいる。城のような彫刻や飾りは一切なく、ドアと窓が申し訳程度についているだけ。それがなければただのでっかい箱にしか見えない。とにかく殺風景な建物がこれでもかと並んでいた。
 普通の人なら同じブロック型の建物が無機質に延々と並んでいるなんてつまらなくてあくびの一つでも出そうなところであるが、何せトーンは城生まれの城育ち。このような殺風景さは逆に刺激的であった。どこまでも同じ風景なものだから、ついつい先が知りたくなってしまってトーンはずんずん歩いていく。
 「…ん?」
 トーンはぴたりと足を止めた。
 大きな灰色がかった黒い瞳が大きく見開かれる。
 「誰かいるっ!」
 トーンは叫んだ。視線の遥か先、小さく動く数人の人影が見えた。途端、トーンは走り出していた。これだけ建物があるのだから、誰か人はいるだろうと思っていた。けれども行けども行けども建物ばかり…でもあんな遠くに人がいるなんて!
 ブロックの建物を抜け、目の前が開けた。
 「…わぁ…っ!」
 トーンは感嘆の声をあげた。城の中庭の10倍…いや100倍はありそうな(さすがに100倍はないか)広大な土地に、人々は闘っていた。ある者たちははコートのように仕切られた場所で木製の剣を交えている。ある者は素手で、ある者は長い棒で。その向こうでは遠くの的目掛けて矢を放っている。奥には馬に乗っている者も。トーンが知らないような武器や装備で闘っているものもいる。
 モノケディア王国の王女であるトーンだが、訓練施設に入り、実際に兵の訓練様子を見るのは初めてだった。あまりの迫力に圧倒される。と、同時に体の底からふつふつとした好奇心が湧き上がり、もっとはっきり見ようとトーンは駆け足で近づいていった。
 「わぁ!わぁ!わぁ!」
 間近で見ると迫力は更に増す。
 トーンの目の前では今まさに、剣(木製だけど)を交えた一騎打ちが始まろうとしていた。順番を待っているのだろうか、コートの周りには同じ服を着た兵士たちが各々激励の言葉をかけている。
 コートの中にいる二人は木製の剣を持ち、じりじりと相手の出方を待っている。しかし瞬間、片方の兵士が一歩踏み込み、剣を振り下ろした。
 ―ガキィンッ!
 寸でのところで相手が受け止め、鈍い音が響く。両者、一歩も引かずに、カタカタと剣同士がこすれて震える。膠着状態がしばし続く。しかし何かの弾み刃先が浮き、
 ―カーンッ!
 勝負あった。わずかに力が反れたのを見極め、それまで受身だった兵士が相手の剣を弾き飛ばした。弾き飛ばされた剣は大きく弧を描いて宙を舞い、
 「うわっ!?」
 がらんっとトーンの目の前に落ちた。
 試合に夢中になっていた兵士たちが一斉にトーンの方を見た。一度に大量の視線を浴びてしまったトーンは思わず固まる。
 「…おい、誰だ?こいつは」
 一人の兵士がトーンを指差し、他の兵士たちに反応を求めた。けれどもどの兵士たちも首を横に振り、「知らない」と口をそろえる。ざわざわと言葉が騒音になって辺りを包む。
 「そういえば…今日、賢者様が来るとは聞いていたなぁ…11歳の最年少って噂の…」
 ぽつりと誰かが漏らした言葉に、一同ぎょっとなってトーンを見た。トーンもびくりと震えて今度こそ石のように固まる。
 しばらくの静寂があって…、
 「…そんな訳ないかー」
 張り詰めた空気から一転、どっと笑いで溢れた。
 兵士たちのそのような反応に、トーンはぷくーっと頬を膨らませる。いくら鈍いトーンでも、馬鹿にされたということくらいはわかる。そりゃあ、コロナの方がよっぽど大人っぽくて頭もいいけどさ!あんな無愛想なののどこがいいんだよっ!
 「あっははっ!悪い悪い…でもお前、どっから来たんだ?名前は?」
 トーンの明らかに不機嫌な様子を見かねて、一人の兵士が長身をかがめて話しかけてきた。どうやら王女・ミクロであることはバレていないらしい。
 トーンは頬に溜まった空気を抜き、出来るだけ大きく見せようと胸を張る。
 「僕はトーンっ!その賢者と一緒にここに来たんだよっ!」
 背伸びしていっぱいいっぱいに答えるトーンを見て、兵士たちはあーと頷きあう。
 「賢者様の従者か…もしくはお弟子さんか?…小さいのに偉いなぁ、ボウズ」
 僕は従者じゃないんだけど…むしろコロナが従者なんだけど…。…小さいって僕もコロナと同じ11歳なんだけど…(本当は1歳年下なんだけど小さな違いなので無視!)そもそもボウズって、僕女なんだけど…。
 トーンは目を点にしてぐるぐると頭の中で突っ込みを繰り返す。
 なんだか色々勘違いされまくっているらしい。けれどもトーンがここにいることはまさに極秘。王女であることはおろか、性別や年齢まで適当に勘違いしてくれるなら逆に有難い。コロナがつけてくれた名前も効果テキメンであった(トーンにとってはかなり不満だらけだけど)


   * * *


という訳で今度はトーンサイド。
次くらいには…出したい!(誰を?)

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