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祭のものぐさもったり手帳

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旅戦の王女 第5話『ある賢者への訪問者5』

 どれほどの時間が流れたのだろう?
 ミクロはようやく涙が止まりかけ、晴れ上がった瞼を重々しくあげた。
 「…あれ…?」
 まだ涙でにじんでぼけている視界できょろきょろと見回してみると、さっきまでいた(と思われる。何せ泣いていたのでろくに周りを見ていなかったし、相手は無言だったし)コロナがいなくなっていた。
 「…コロナぁ…?」
 こわごわ名前を呼んでみる。―けれども返事はない。
 「………」
 今朝、どんなに呼びかけても起きてこない寝顔が頭をよぎった。いつも通りに一緒に寝て、いつも通りに一緒に起きるものだと思ったのに、ミシロは起きなかった。
 『白の王女』と呼ばれる彼女の寝顔は、なんだかその名以上に白くて、心もとなくて、すぐ隣で手を握っていても、ちゃんと起きてお喋りしてくれないと不安で、
 「ミクロ王女」
 はっと名前の呼ばれた方へ振り返った。
 古い簡素な木造のドアを開け、かつっと高い革靴を響かせてコロナが部屋へ入ってきた。手には分厚い本を抱えている。
 「…一応、私なりに調べたのですが…」
 古い歴史書のような本を開き、ぺらぺらとページをめくる。ざらついた羊皮紙をこする音が静かに数回聞こえたあと、
 「っばかーっ!!!」
 いきなりミクロが叫んだ。
 「…え?え?」
 訳がわからないといった顔でコロナが目をぱちくりとさせる。叫んだミクロはといえば、あれだけ流したのにまた涙が溢れ出してきて、眉をぎゅっとひそめ、
 「…っ私に内緒で、みんな勝手にいなくなるなーっ!!!」
 叫んだ。さっきよりも三割増しほど叫んだ。
 そして泣いた。嗚咽をかみ殺すことも忘れて、ひっくとしゃくりあげながらぼろぼろ泣き出す。
 最初は何のことなのか、どうしていきなり怒鳴られたのかわからなかったコロナだが、いつも『ふたり』でいることが当たり前の王女だということを思い出し、
 「…すみません…」
 素直に謝った。

 ふたりでひとり。
 ひとりでふたり。
 白と黒。朝と夜。太陽と月。未来と過去。正義と悪。
 世界がもしも巨大な天秤だとしたら、きっとこの少女の天秤は今大きく傾いている。釣り合いが取れずに、不安定な場所にゆらゆらと心もとない足取りで立っている。
 賢者たちの間では、この『ふたり』の『対極』した王女は極めて重要な意味を持っている。
 だから白の王女であるミシロが眠りについたこと、それは一種の不安要因を案じさせるものではあったが…
 「…王女、俺の話を少し聞いてもらえますか?」
 ぐすぐすと鼻をすすって泣いているミクロに、コロナが問いかけた。まだ泣き続けていたミクロだが、小さく、本当にわずかだが、こくりとうなづいた。
 コロナはそれを見てからぺらぺらと再びページをめくり始めた。
 「話を聞くところ、ミシロ王女は病気の類ではなく、魔法がかり的なものが原因でしょう。…今の医学書では見つけられませんでしたが…」
 あるページで一旦動きが止まり、それからミクロにも見えるようにテーブルに置いた。
 「…古い医学書です。今のように薬や外科手術などではなく、まだ魔法で病気を治していた頃の時代の…本当に古いものですが、これに似たような病気について書いてありました。いくつか材料を集め、賢者や魔法使いが力を使えば、治すことが出来ます。」

 ―…ミシロ王女が本当にただの『病気』なのであれば…と、心の中で付け足した。


* * *

ということで第五話目?。
結構長くなってきましたな。
それと許可を下さった皆様、本当にありがとうございますv
さらに付け加えて出演以来しちゃうと…(こら)

レインさん
ファングマン

ディースさん
ヴィーデ

ナジスコビッツさん
ブランク

楔さん
クレナイ

観月さん
セリア

ぷらち子さん
プラチナ

誰がどんな感じで出演するかはお楽しみに?v
ってか許可取らないと;;
そしてプラチナちゃんにも出演依頼したいッス!
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コメントコメント


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こんばんはーv
ナジスコビッツです。

うへぁぁ!?
ぶ、ブランクをですか!
喜んでお受けいたしますv
凄い嬉しいですv
よろしくお願いします~。

ナジスコビッツ | URL | 2006年05月20日(Sat)21:30 [EDIT]


 
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